コラム23 『キルプの軍団』

専務理事をしている日本オリエンテーリング協会で、オリエンテーリング創始40周年パーティーを開くことになった。そこで初期のオリエンテーリング用地図を展示することにした。日頃整理が悪くて、もののありかがよく分からなくなる私だが、地図となると違う。30年以上前の第一回全日本大会から第四回まで、きれいにファイルされていた。実家にいるならいざ知らず、その間7回の引っ越しがあったが、それでもすぐに見つかった。

 

オリエンテーリング用地図だけでなく、高校時代の地理の教材に使った白地図や小学校4年生の時に学校でもらった神奈川県全図(当時は神奈川に住んでいた)なども、今も手元にある。この神奈川県全図は、小学4年生に配るものとしては、渋い色調のぼかし表現が印象的であった。30年前としてはかなりのできだったことも、手元に残っていた理由だろう。この話を地図エッセイストの今尾恵介さんに話すと、彼もその当時神奈川県に住んでいて、同じ地図を手にして、同様に印象的に思ったという話題で盛り上がった。

 

ノーベル賞作家の大江健三郎氏が朝日新聞で新しい連載を始めるにあたってのインタビューで、「小説を書くことを思ってもみもしない子どものころ、はじめて出会って面白く思った言葉はその状況ぐるみ覚えていた」と語っていた。彼には言葉の、私たちには地図や風景に敏感に反応する脳の働きがあるのかもしれない。

 

大江氏には、40周年記念パーティーでの講演を依頼したのだが、残念ながら断られてしまった。断りのはがきの中で「オリエンテーリングは次男の人生にオリエンテーリングはじつに有効な教育となっています。」との添え書きがあった。大江氏の次男は中高・大学とオリエンテーリングクラブに所属していた。その体験をもとにして書かれたのが表題の『キルプの軍団』である。

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