コラム6 地図への関心

CSの教育番組を作っている文化工房のディレクターの人と会った。科学技術関係の財団の仕事で、地図をテーマにした教育番組を作っているのだという。放送は再来年だが、今年のうちには画を撮り出す予定だという。いまどきのテレビ番組にしては稀有のことだが、視聴率が問題にならないCSだからできる、じっくりした番組づくりなのだろう。

 

12回全体が地図をさまざまな側面から捉えるという点も興味深いが、1回をオリエンテーリング・ナヴィゲーションに当てるという発想には、さらに興味をひかれた。確かに、他の回は地図がどう作られているかといった作成サイドの話だ。その地図がどう使われているのか、一般ユーザーが利用に際してどんな問題を抱えているのかといった、行動科学的な視点はこの回だけだ。

 

それをオリエンテーリングだけにとどめるのは勿体ない。オリエンテーリングはあくまでも導入。そこから熟練者と中級者の読図スキルの違いに話を進め、さらに地図を読むという行為の背後にある認知的スキルがどのようなものかに、話を進めたらいいのではないかとアドバイスした。

 

多くの人は、地図が読めるとは、地図の上に描かれている情報を読み取れることと考えているが、実際に熟練者のナヴィゲーションを研究すると、描かれている以上の情報、論理的操作をして、地図を有効に使いこなしている。またそのアルゴリズムは、カーナヴィゲーションや巡航ミサイルといった高度な機械システムにも利用されている。かたや、その発想は野生に生きる民族にも共有されている。地図を使うスキルの、そういう広がりを感じられる番組にしたい。

 

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