コラム33 教育にオリエンテーリングを

11月中旬、ある野外活動施設の学生ボランティア13名を対象に、オリエンテーリングとナヴィゲーション技術の講習を行なう機会を得た。こうした学生ボランティアは、多くの野外活動施設で導入されており、その施設で行なわれる子ども向けの自然体験活動で、その世話役として活動する。

 

活動の中には、子どもたちと山を歩いたりするものもあるはずだから、当然のアウトドア活動に不可欠な道具であるコンパスは全員が持っているものと思い、聞いてみたところ、驚いたことにベースプレートコンパスを持っているのは、たった1名であった。さらに地形図を使ったことがあるかを尋ねたところ、使ったことがあると答えたのは3名に過ぎなかった。一般的に学生ボランティアたちは、アウトドア活動よりもむしろ子どもと一緒に遊ぶことに興味がある。志向性からすれば、地図・コンパスともに身近なものでないことは仕方ないことなのかもしれない。だからこそその育成の過程で、子どもを連れて自然の中で活動するための基礎的なスキルが強調され、またその習得が図られていてほしい。その中には、ナヴィゲーションや読図技術も入っていなければならないだろう。多くの施設での状況を想像すると、不安を感じてしまう。

 

土曜日は彼らに対して、日曜日は小学校1年から6年の子どもたちに対して、気軽に楽しめるオリエンテーリングを体験してもらった。ボランティアたちは、率直にこれまでオリエンテーリングはつまらないものだと思っていたが、思っていた以上に面白いゲームであったことに気づいたと語ってくれた。また、小学生たちも、屋内の見取り図やセンター棟周辺での1:1000地図を使ったオリエンテーリングに取り組んだ。低学年は、地図を見て行動しているとは思えないものの、地図を整置してこっちの方だよと手助けしてやると、「あった!」と叫んでは駆けだしていった。中学年になると、ある程度は自分で地図を読んでどちらにいくか判断できる。チェックポイントを探して、パンチをしてくるというのが、宝物集めみたいで楽しかったようだ。ある程度の手助けが必要とはいえ、自分で判断し、行動し、達成感を得るオリエンテーリングこそ、現代の教育に取り入れられるべき教材だと、改めて感じた。

 

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