コラム37 専門調査委員会に出席して

前回に続いて、文部科学省登山研修所の専門調査委員会の話をしたい。

 

同委員には今年初めて就任したこと、本年度2回ほど講師を務めた関係で、出席した。行政の開催する委員会には過去何回も出席しているが、事前に用意された資料がそのまま承認されるパタンが多く、正直面白いものではない。今回もあまり期待していなかったのだが、本当に「忌憚なき」意見が出て、結構面白かった。

 

現在登山研修所は、遭難対策研修として、消防や警察の救助隊関係者を集めての研修を行なっているが、ある委員から、「そういうのはそれぞれの機関が研修をやっているのだから、登山研修所は、現代の遭難の状況にあった、防止面に力点をおいた研修をもっと増やしたらいいのではないか」という意見が出された。研修所側は、この意見に対しては消極的だったが、現在の山岳遭難の多くは、中高年が難しくもない山域・ルートで起こす「軽い」ものである。それらを防止するための啓発活動や教育は、今後の同所の重要な役割となるという意見には納得できる。

 

毎年7月に共催で行なわれる全国遭難対策協議会でも、商業セクターの参加を促してはどうかという僕の意見に対しても、この委員は賛意を示してくれた。遭難の多くを占める未組織(団体に加盟していない)の登山者にもっとも接点があるのは、出版やアウトドア用具メーカー、ショップである。実際、遭難防止に対する意識を持つメーカーもあるし、出版などでもたいてい年1回は遭難の特集を組んでいる。遭難の防止を考える上でも、商業セクターが果たしうる役割は大きいはずである。

 

商業セクターを巻き込むことで、現在の「守り・助けてやる」遭難対策から、「登山者自ら防止する」遭難対策へという、真の自己責任への転換ができるのではないだろうか。

 

2月24日、25日はお問合せやお申込みへの返信をお休みさせていただきます。ご了承ください。

NPO法人Map, Navigation and Orienteering Promotion

 オリエンテーリング世界選手権の日本代表経験者、アウトドア関係者らが、アウトドア活動に欠かせない地図・ナヴィゲーション技術の普及、アウトドアの安全のために設立したNPO法人です。

活動をサポートして下さる方を募集しています

2015年3月のシンポジウムのプログラムと村越の発表資料を掲載しております。

初心者に最適なコンパス、マイクロレーサー