今年もセンター入試には、地図を使った多くの問題が、複数の科目で出題された。例年読図問題が出題される地理はもちろん、日本史、理科総合でも地図からの読み取りを主題とした問題が出題された。
地理AとBでは1971年と2003年の1:25000を比較して読み取れることを問う問題が出題された。これは普通に地図記号が分かっていれば分かる問題で、記号に関する知識を問うだけのつまらない問題だった。
複数の年代を比較しての読図は最近はやりの形式で、日本史Aでも出題されている。むしろこの問題の方が、地図上に書かれたことから、もう一歩推論を要求しているだけ、いい問題だと思う。
昨年に引き続き理科総合Bにも、読図力を要求される問題が出題された。この問題は、等高線によって描かれる地形に関するイメージを要求するという点で、地理以上に地理的な問題ではないかと思う。地質図を読み取る問題なのだが、私自身地形を考慮にいれずに、ひっかかってしまうところだった。尾根・谷の形状やそれが流水に与える影響をイメージする力がないと、うまく解けない「地理的な」良問であった。