コラム73 折り紙の地形

前々から折り紙で地形を作るアイデアはあった。折り紙用語でも山折り/谷折りという言葉がある。山折りや尾根に相当するし、谷折りは文字通りの谷に相当する。山や谷に折った折り紙に等高線を書き加えてやれば、等高線と地形の関連も理解しやすいだろう。

 

最初は単純に対角線を山折りにし、縦横の中心線を谷折りにして、4つの尾根があるピークを作った。しかし、これではいかにもおもちゃ臭い。もっと複雑な地形を作ることができないだろうかと思って作ったのが、これ。長い尾根だけでなく、尾根の曲がり、尾根の分岐、はてはテラス状の平坦な地形まで、かなりの表現力がある。

 

地形を折るための工夫の一つが、金紙・銀紙を使うこと。このアイデアは、たぶんレクリエーション指導法で七夕飾りを学生と作る機会が毎年あったのでひらめいたのだろう。銀紙・金紙は半面にアルミ箔がついているので、折った形がぴしっと決まる。地形づくりに欠かせない中途半端な折り方でも大丈夫なのである。

 

この模型は自分でも傑作だと思い、周囲に言いふらした。下級生に指導する経験を持つオリエンテーリングのトップ選手は「粘土は使ったことはあるが、面倒で手も汚れる。これは画期的」と絶賛。地理教育を専門とするある友人が、小学校6年生になる娘にその写真を見せた。彼女曰く「とがっているところが谷で、丸くなっているところが尾根」といったのだ。確かに、実際は尾根が丸くて、谷がとがっているからなあ・・・。裏返しにすれば簡単だが、それではすり鉢状のあまりリアルでない地形になってしまう。

 

半日悩んで、思いついた。「そうだ!手前から折るから尾根がとがってしまうのだ。裏から織り込んで谷を折って作ればいいのだ。そうやってできたのが

 

谷から折るとたかが折り紙なのに、涎がたれそうなくらいのリアリティーが生まれた。日本の地形は谷がえぐれてできる。だから谷をえぐるようにして作ることでリアリティーがでる。これも銀紙だからこそできる技である。そんな話しを高校登山部の顧問の研修会で美術の教員の方に話したら、「彫刻も似てますね」と感心してくれた。

 

たかが折り紙がここまで進化するとは、始めた時には考えもつかなかった。

 

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