コラム77 赤色立体図はすごい

NPOのイベントで富士山麓でロゲイニング大会を開催することになった。火山防災を専門にする同僚のつてもあって、富士山周辺の等高線と赤色立体図のデータを入手、利用することができた。提供した地図の仕上がりは我ながら上々だった。通常の地図と赤色立体図を重ねた地図を比べれば一目了然だが、赤色立体図には通常の地図では捨象された地形に関する情報が余すところなく表現されている。イベント前は、地図が読めない人向けの補助と考えていたが、オリエンテーリングでも活躍する優勝チームは、積極的に赤色立体図を活用した。等高線では表現されない地形の連続性が表現されているので、役に立ったらしい。確かに私たちなら、等高線の間にある連続性をなんとなく頭で補って地形をイメージすることができるが、そこには注意力や心的努力が必要だ。だが赤色立体図なら、そうした努力は全くいらない(少なくとも熟練者には)。その分、ナヴィゲーションの本質的な作業にエネルギーを割くことができる。

 

また、赤色立体図を見れば、「等高線から地形がイメージできる」ことが、具体的にどういうことなのかを、初心者に疑似体験してもらえる。私たち熟練者は当たり前のように、「等高線から3次元がイメージできるんだよ」というが、それができない人(あるいはできているかできていない人)には、「3次元にイメージできる」ことが一体どういう心的状態なのか見当もつかないだろう。しかし赤色立体図をみれば、視覚体験としてそれが実体験できるはずだ。

 

導入を決める前には、「こんなものを使ったら、私たちが大事にしているスキルが不要になってしまう。登山者を甘やかすことになるのではないか」という思いが頭をよぎったが、実際使ってみると、その心配は無用に思えた。地形が3次元的にとらえられることで、それをどう山登りに使うかという、ナヴィゲーショ

ンの本質的な部分がより多くの人にとって身近なものになるだろう。


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NPO法人Map, Navigation and Orienteering Promotion

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