【M-nop letter+】2023年6月号

■ご挨拶■

 すでにお知らせしたように、5月19日に、第19回総会を開催し、M-nopも早いもので19期を迎えます。この間アウトドアの世界も少しづつ変化し、UTMFのような100マイルトレランが各地で開催されたり、マウンテンマラソンやロゲイニングといったナヴィゲーションスポーツも興隆してきました。

 設立以来理事長を務める村越は、本法人設立当時、オリエンテーリングの世界選手権のテクニカル・ディレクターの仕事が一段落しました。一方で、2001年に上梓した登山のための読図テキストが好評を博し、登山界を対象にした読図・ナヴィゲーション講習会を個人的に実施していました。講習会やイベントをさらに発展させることが、登山その他のアウトドアの安全や楽しみに資するという実感を得て居ました。オリエンテーリングやアウトドアで活動をともにした方々と、その動きを加速するために当法人の設立を思い立ちました。

 当時、登山界では道迷い遭難の漸増傾向が問題になっていました。またトレイルランニングやアドベンチャーレース、ロゲイニングのような新たなアクティビティーが興隆し始めた頃でした。それから約10年後の2014年にはOMM(オリジナルマウンテンマラソン)が始まりました。当法人も、講習会、イベントの提供をしたり、これらのイベントで参加者が安心して参加できるリスクマネジメントの任務を受託してきました。

 今後も引き続き、アウトドア活動を楽しむ方たちに向けて、楽しさと挑戦の場を提供していく所存です。参加者として、あるいは運営者として、それらの活動でご一緒できればと思います。

■現在の活動■

 当法人では、定款と事業計画により、以下のような事業を展開しています。

1)オリエンテーリング大会

2)トレイルランニング大会

3)ナヴィゲーション講習会

4)オリエンテーリング普及方法の検討

5)情報発信事業

6)競技者支援事業

 

本年度は、具体的には以下の行事を開催、協力していきます。

主催事業

・有度山トレイル三昧:トレイルランニング(静岡市清水区、2024年1月27日)

・有度山トレイル三昧:ロゲイニング(静岡市駿河区、2024年1月28日)

・富士山麓ロゲイニング大会(12時間:実施済み)

・静岡大学と共催での公開講座(5月に初級スマホ編実施済み、12月9日中級編)

 

協力

UTMF(安全管理)実施済み

初めてのナヴィゲーション(県立朝霧野外活動センター主催)(9月9-10日)

OMM(安全管理)11月11-12日

丸子アルプストレラン大会(2024年2月)

オリエンテーリングin朝霧(11月25-26日)

 

 このうち、有度山トレイル三昧、初めてのナヴィゲーション、オリエンテーリングin朝霧ではお手伝いいただけるスタッフの方を募集しています。ご興味がありましたらnavi@m-nop.comまでご連絡ください。

■最近の活動から■

①富士山麓ロゲイニング

 富士山麓ロゲイニングは、2年に一回開催される当法人のメインイベントの一つです。前々回を2018年に開催し、2020年開催に向けて準備中にコロナ禍に突入し、1年の延期を余儀なくされました。周辺県との間に強い移動自粛が出ていた静岡県では2021年の大会も県内在住者のみで実施せざるを得ませんでした。したがって、今回2023年大会は5年ぶりの正常な大会となりました。

 ロゲイニング大会が毎週のように開催されるようになった現在でも、12時間ロゲイニングは希です。しかも本大会では約1/3程度のCPがフラッグ方式、つまり特徴も乏しい森の中に設定されていたりします。地図は1/25000で、幅42cm、長さなんと84cmの新聞紙のような地図を駆使してのナヴィゲーションになります。「ロマン感じるよね」参加者から漏れる言葉は、プランナーの苦労への最大のねぎらいの言葉になります。

  当日は、心配された雨も降らず、最高気温が23度程度、薄曇りの絶好のコンディションに、6時間の部22チーム、12時間の部37チームの計130人が、午前9時にスタートしました。富士山も見送ってくれています。

  15時、6時間の部の制限時間です。ほとんどのチームは時間通りどころか、5時間55分を過ぎてからフィニッシュするチームの多いこと!その中で115点を獲得した混合の智隊(鈴木智人・鈴木純子ペア)が優勝しました。

 いつものロゲイニングなら、これで無事終了ですが、12時間ロゲイニングではこれが折り返し点。12時間だから、暗くなったら(19時くらい)帰ってくるチームがあるだろうと思って待っていても、一向に帰ってくる気配がなく、制限時間まで20分を下回った20:40になってもほとんどのチームが帰還せず。あわや大規模捜索かと思っていた20:50過ぎにほとんどのチームがフィニッシュを飾りました。

 優勝はちんぐるま(吉藤剛・岩崎正恵ペア)213点。2位はチーム遠足(大澤貴子・渡辺達也ペア)でたった2点差の211点と、いずれも混合チームが上位を占め、男子トップの古茶・鈴木ペアが208点で総合3位となりました。大きな地図を囲んでの上位チームのルート説明もロゲイニングの醍醐味の一つです。

 フィニッシュ後は、協賛の明日香食品㈱より参加賞の和菓子、㈱ディ・エッチ・エー・マリンフーズ様より携帯できるおいしいツナバー「TUNA+」を賞品として提供いたしました。感謝申し上げます。 

 

②山と渓谷:レジェンドインタビュー

 山と渓谷7月号で、理事長村越がレジェンドインタビューに取り上げられました。オリエンテーリングで世界を目指していた若い頃から、ナヴィゲーション・読図、さらにはリスクマネジメントのスタンダード化で山の安全に貢献する活動を行っている最近の状況まで、7pに渡って紹介されています。

NPO法人Map, Navigation and Orienteering Promotion

 オリエンテーリング世界選手権の日本代表経験者、アウトドア関係者らが、アウトドア活動に欠かせない地図・ナヴィゲーション技術の普及、アウトドアの安全のために設立したNPO法人です。

活動をサポートして下さる方を募集しています

2015年3月のシンポジウムのプログラムと村越の発表資料を掲載しております。

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