【M-nop letter+】2024年4月号

■ご挨拶■

 新年度も始まりました。昨年度最後の週末は三浦のトレイルを走りに行っていましたが、すっかり春の風景になっていました。

 

 昨年度は、本法人の活動にご協力・ご参加いただいたことを感謝します。2年に1度の富士山麓ロゲイニングは制約なく実施できたものの、5月に二つの12時間ロゲ(もう一方は安曇野)が開催されたこと、新型コロナの制約がなくなり多くのアウトドアイベントが行われるようになったことなどもあり、定員に達しませんでした。一方、1月に実施した有度山トレイル三昧は、トレランで200人、ロゲイニングで400人強の参加者と例年通りの参加者を集めました。その他、委託事業としては、UTMFとOMMの安全管理を行い、丸子アルプストレランレースの計測を受託しました。法人全体としては、大きな変化のない一年でしたが、詳細については会員の皆様には総会資料としてお知らせします。。

 

 今後とも、法人として安定した活動ができるよう、今後も皆様のお知恵と力を借りながら、運営をしていきたいと考えております。

 新しい年度もよろしくお願い致します。

春の三浦半島のトレイル。写真は前田川という大楠山に発する川の下流部の川に沿った遊歩道
春の三浦半島のトレイル。写真は前田川という大楠山に発する川の下流部の川に沿った遊歩道

■現在・今後の活動■

当法人は、ナヴィゲーションスポーツの普及やアウトドアの安全のために、イベント、講習会の開催や大会への技術サポートを行っています。今後は、以下の行事を開催、協力していきます。また、村越が関係する他団体の行事も掲載しました。

 

以下で紹介する事業のうち、当法人主催事業の「有度山トレイル三昧」、朝霧野外活動センター主催の「初めてのナヴィゲーション」「オリエンテーリングin朝霧」ではお手伝いいただけるスタッフの方を募集しています。

また、お手伝いではなく、運営や指導の勉強をしたい方も実費での参加を歓迎するイベントもあります。お問い合わせください。

【主催事業】

  • 静岡大学公開講座(共催)初級編(2024年12月8日)
    静岡大学と共催で実施される人気の講座。静岡の里山を歩きながら、読図の基礎を学びます。希望者には、日本オリエンテーリング協会によるナヴィゲーション検定ブロンズレベルを認定します。詳細は決まり次第お知らせします。
     
  • 静岡大学公開講座(共催)中級編(2025年3月8日)
    静岡大学と共催で実施される人気の講座。静岡の里山をハイキング形式で歩きながら、読図の実践力を高めます。希望者は翌日の検定に合格することで、日本オリエンテーリング協会によるナヴィゲーション検定シルバーレベルを認定します。詳細は決まり次第お知らせします。

  • 有度山トレイル三昧
    トレイルランニングミニレース(静岡市清水区、2025年1月25日)
    ロゲイニング(静岡市駿河区、2025年1月26日)
    当法人のフラッグシップイベントです!2025大会は清水地区を中心にコース設定予定。交通も至便です。

【他団体による主催(協力・村越の講師参加等)】

  • Shin Murakoshi: 50 years with Orienteering
    村越のオリエンテーリング生活50周年を記念したオンライントーク、4月10日には「アウトドア界への挑戦」と題して、オリエンテーリングから登山やナヴィゲーションスポーツに活動を広げた軌跡をお送りします。また5月23日には「番外編:古地図ナヴィゲーションの世界」をお送りします。
    詳しくは下記URLをご覧ください。
    https://www.orienteering.or.jp/joa-about/online/murakoshi_o_50th/
  • Shin Murakoshi: 50 years with Orienteering
    古地図ナヴィゲーションツアー等今後、3イベントを企画しています。
    2024年3月16日:小手指~東村山を、古地図で巡る。(終了)
    2024年4月29日:東京城南地区での古地図スコアイベント。
    (定員のため締め切りましたが、Mnop会員若干名にはご対応します)
    2024年9月:飯能でのマウンテンオリエンテーリング。
    詳しくは、TEAM阿闍梨サイト: https://www.teamajari.com/event/shinmurakoshi50/
3月16日のツアー「いざ、鎌倉」のポイントにて。この場所は約50年前の中学生だった私が本格的なO-mapを作りオリエンテーリング大会を開催した場所です
3月16日のツアー「いざ、鎌倉」のポイントにて。この場所は約50年前の中学生だった私が本格的なO-mapを作りオリエンテーリング大会を開催した場所です
  • 国立登山研修所:オンラインセミナー
    コロナ禍からスタートした国立登山研修所のオンラインセミナー、今年は村越がリスクマネジメント1回と読図4回の5回シリーズを担当します。読図は8月から11月にかけて、「礎の巻、画の巻、按・識の巻、践の巻」です。乞うご期待!

[以下3イベントの詳細はいずれも朝霧野外活動センターwebからご確認ください]

https://asagiri.camping.or.jp/

  • はじめてのナヴィゲーション(技術協力)
    (主催:朝霧野外活動センター、2024年9月7~8日)
    親子で地図を使ったナヴィゲーションの挑戦する超人気イベント。昨年は3倍の競争率だったとか。
    ※ お手伝いいただける方を募集しています(交通費補助と薄謝進呈)。
夜は同時開催されている朝霧マウンテンOのキャンプを訪問。子どもたちもテントの中身に興味津々。
夜は同時開催されている朝霧マウンテンOのキャンプを訪問。子どもたちもテントの中身に興味津々。
翌日は好天の中でナヴィゲーションクエストと表彰式が行われました
翌日は好天の中でナヴィゲーションクエストと表彰式が行われました
  • オリエンテーリングin朝霧
    (主催:朝霧野外活動センター、2024年11月23~24日)
    10年以上続く、本格的ナヴィゲーションも含むイベント。
    ※ お手伝いいただける方を募集しています(交通費補助と薄謝進呈)。
ガチで走る親子、手提げ袋を下げて参加の家族の参加など、間口が広いのが特徴
ガチで走る親子、手提げ袋を下げて参加の家族の参加など、間口が広いのが特徴
  • 野外活動指導者養成講習
    (主催:朝霧野外活動センター、2025年2月9~11日)
    名称はややクラシカルですが、前半はナヴィゲーション講習、後半は日本の野外でのリスクマネジメントの中村正雄先生による講習という1度で二度おいしい講習。公共施設ならではの参加費の安さも魅力。
中村先生による野外でのリスクマネジメントの講義風景
中村先生による野外でのリスクマネジメントの講義風景

■最近の活動から■

 コロナ禍はアウトドア界にも多くの影響を与えました。唯一レガシーとなった影響がオンラインの普及です。遠くの人と気軽に会議をすることができ、オンラインによる講習会も普及しました。当法人も、それまでは東京等に集まり総会を開催していましたが、それもオンラインでできるようになりました。お陰で多くの人の参加を得られるようになりました。

 

 活動が難しかった2020年の5月から、私も積極的にオンラインの研修をスタートしました。最初は、Club阿闍梨のメンバーへの内輪の研修でした。「果たして画面ごしに研修が成り立つのだろうか?学びを深めるための議論はできるのだろうか」とおっかなびっくりな開催でした。しかし、zoomの共有機能と書き込み機能を試行的セミナーの中で知った時、これは凄いツールじゃないか!?と思ったものでした。

コロナ禍初期の2020年3月に行った奥武蔵マウンテンOの反省を5月3日に実施。なんか凄い時代になったなあ・・・と実感
コロナ禍初期の2020年3月に行った奥武蔵マウンテンOの反省を5月3日に実施。なんか凄い時代になったなあ・・・と実感

 ご承知のように、地図読みで重要なことは、地図から読みとるべき情報を取捨選択することです。また地形に関しては等高線から、尾根線・谷線、さらには特徴的な傾斜の変化を読みとることが重要になります。それぞれの居室という落ち着いた環境で、繊細なPC画面で共有しながら、読み取りのポイントを視覚的に示すことができるのです。さらには、大事なポイントを参加者に一斉にマーキングしてもらい、他の人の回答と比較するといったことも容易です。

 

 国立登山研修所でも、それまで開催していた全国3カ所くらいの大会場に数百人集めて行う研修を行っていました。当然、2020年は開催できません。しかし、この冬にはオンラインを取り入れることで乗り切りました。登山研の事務局としても、全国どこからでも気軽に参加できるオンラインのメリットを痛感したようでした。Club阿闍梨のメンバーといち早くオンラインの可能性を追求してきたことで、私も登山研修所のオンライン研修に大きく貢献することができました。

 

 その後の、学生へのオリエンテーリングの指導でもオンラインは大活躍しました。私の所属する静岡大学はキャンパスが二つに分かれている関係上、浜松のキャンパスの学生はなかなか指導の時間がとれませんでした。しかし、オンラインの登場により、じっくり、集中して、多くの時間を彼らの指導に割くことができました。この年(2022年度)、静大が近年最高の結果を挙げることができたのも、彼らがオンラインを活用したことも大きな力となっていたはずです。

 

 リスクマネジメントの講習にも、オンラインは役立ちました。特に現場でのリスクを特定し、それを評価するというシミュレーション的な演習にはオンラインはうってつけでした。

 

 こうしたセミナーで高めたスキルで、2024年度は、国立登山研修所のシリーズオンライン全5回を担当します。またその試行の一部を会員向けセミナーとして提供します。皆さんも、コロナ禍のレガシーを是非生かしてください。 

共有の注釈により、レース後の会場では共有が難しい地図の細部を共有しながら、更に読みとりのポイントを視覚的に伝えることができる。
共有の注釈により、レース後の会場では共有が難しい地図の細部を共有しながら、更に読みとりのポイントを視覚的に伝えることができる。
写真を使ったアウトドアのリスクママネジメント講習の一場面
写真を使ったアウトドアのリスクママネジメント講習の一場面

NPO法人Map, Navigation and Orienteering Promotion

 オリエンテーリング世界選手権の日本代表経験者、アウトドア関係者らが、アウトドア活動に欠かせない地図・ナヴィゲーション技術の普及、アウトドアの安全のために設立したNPO法人です。

活動をサポートして下さる方を募集しています

2015年3月のシンポジウムのプログラムと村越の発表資料を掲載しております。

初心者に最適なコンパス、マイクロレーサー