【M-nop letter+】2024年10月号

【目次】

■ご挨拶■

 例年であれば、「スポーツにふさわしい季節になりました」と挨拶できそうな9月はほとんど30度ごえのうちに終わってしまいました。皆さんはいかがお過ごしだったでしょうか。私は第一週の「初めてのナヴィゲーション」(通称はじナヴィ。朝霧野外活動センター主催)、第二週はタイでのワールドランキングイベント参加および暮れのアジア選手権の打ち合わせ、第三週は北海道で読図講習の翌日筑波大学大会、第四週はクラブカップ7人リレーと、ナヴィゲーションスポーツ全開の9月でした。

 

 このうち、「はじナヴィ」は朝霧野外活動センター主催で10年近く続くイベントで、コロナ禍後期には競争率3倍、現在でも1.5倍の抽選があるという人気イベントです。親子を対象にし、初日は地図やコンパスの使い方をゲーム形式で学び、二日目はそれを生かしてナヴィゲーションクエストに挑戦という、本格的なナヴィゲーションを体験しながらも、子どもたちにも参加しやすいイベントとなっています。その分、準備は面倒ながらも、「子どもがこんなに楽しそうに活動しているのは初めて見ました」といった感想や、実際に楽しそうにコントロールに向かっている姿を見ると勇気づけられます。

 

 昔は「するスポーツ」か「見るスポーツか」と言われましたが、最近ではそれに「支えるスポーツ(ボランティア等での関わり)があるとされています。そういう多様なスポーツとの関わりを楽しめた9月でした。

 

はじナヴィの様子① 子どもが熱心に地図を読んでいるのが微笑ましい。
はじナヴィの様子① 子どもが熱心に地図を読んでいるのが微笑ましい。
はじナヴィの様子② 子どもが熱心に地図を読んでいるのが微笑ましい。
はじナヴィの様子② 子どもが熱心に地図を読んでいるのが微笑ましい。
北海道では読図講習での指導者養成のお手伝い。まだ暑かった本州から一気に寒い北海道へ。
北海道では読図講習での指導者養成のお手伝い。まだ暑かった本州から一気に寒い北海道へ。
筑波大学大会では高原の秋らしい空気と極上のテレインを楽しめました。
筑波大学大会では高原の秋らしい空気と極上のテレインを楽しめました。
7人リレーでは、見る&するオリエンテーリングを楽しめました
7人リレーでは、見る&するオリエンテーリングを楽しめました

■現在・今後の活動■

※ 前号から以下のイベントを追加、変更しました。

当法人は、ナヴィゲーションスポーツの普及やアウトドアの安全のために、イベント、講習会の開催や大会への技術サポートを行っています。今後は、以下の行事を開催、協力していきます。また、村越が関係する他団体の行事も掲載しました。 

 

以下で紹介する事業のうち、当法人主催事業の「有度山トレイル三昧」、朝霧野外活動センター主催の「初めてのナヴィゲーション」「オリエンテーリングin朝霧」ではお手伝いいただけるスタッフの方を募集しています。

 

また、お手伝いではなく、運営や指導の勉強をしたい方も実費での参加を歓迎するイベントもあります。お問い合わせください。

【主催事業】

  • 静岡大学公開講座(共催)初級編(2024年12月8日)
    静岡大学と共催で実施される人気の講座。静岡の里山を歩きながら、読図の基礎を学びます。希望者には、日本オリエンテーリング協会によるナヴィゲーション検定ブロンズレベルを認定します。詳細は決まり次第お知らせします。
     
  • 静岡大学公開講座(共催)中級編(2025年3月8日)
    静岡大学と共催で実施される人気の講座。静岡の里山をハイキング形式で歩きながら、読図の実践力を高めます。希望者は翌日の検定に合格することで、日本オリエンテーリング協会によるナヴィゲーション検定シルバーレベルを認定します。詳細は決まり次第お知らせします。
  • 有度山トレイル三昧
    トレイルランニングミニレース(静岡市清水区、2025年1月25日)
    ロゲイニング(静岡市駿河区、2025年1月26日)
    当法人のフラッグシップイベントです!2025大会は清水地区を中心にコース設定予定。交通も至便です。11月より申し込み開始予定!

【他団体による主催(協力・村越の講師参加等)】

  • 国立登山研修所:オンラインセミナー
    コロナ禍からスタートした国立登山研修所のオンラインセミナー、今年は村越がリスクマネジメント1回と読図4回の5回シリーズを担当します。
    すでに第四回までは終了しました。この後、第五回~六回の2読図シリーズを担当します。村越担当の日程と内容は以下のとおりです。
    【終了】(6月27日の第一回は、北村先生の登山の基本的な考え方(PDCA))でした。)
    【終了】第二回:7月25日 リスクマネジメント:登山安全計画の作り方
    【終了】第三回:8月30日 読図「礎」の巻
    【終了】第四回:9月27日 読図「画」の巻
    第五回:11月1日 読図「按・識」の巻
    第六回:11月29日 読図「践」の巻
    第三回から第五回はお気づきの方もいると思いますが、宮本武蔵の五輪書を意識しました。礎は基本、画とは計画、事前に何をどう読むか?そして按とは按針の言葉から分かるように、進路を定めること、識とは目印を立てて理解すること、すなわち現在地把握。つくづく漢字とは凄いと思います。漢字を手がかりに、ナヴィゲーションの基礎をしっかりみにつけてください。以下のURLで1ヶ月くらい前から申し込み可能です。
    https://www.jpnsport.go.jp/tozanken/syusai/tabid/158/Default.aspx
  • オリエンテーリングin朝霧
    (主催:朝霧野外活動センター、2024年11月23~24日)
    10年以上続く、本格的ナヴィゲーションも含むイベント。
    ※ お手伝いいただける方を募集しています(交通費補助と薄謝進呈)。
    ※ 詳細は朝霧野外活動センターwebからご確認ください。
  • 野外活動指導者養成講習
    (主催:朝霧野外活動センター、2025年2月9~11日)
    名称はややクラシカルですが、前半はナヴィゲーション講習、後半は日本の野外でのリスクマネジメントの中村正雄先生による講習という1度で二度おいしい講習。公共施設ならではの参加費の安さも魅力。
    ※ 詳細は朝霧野外活動センターwebからご確認ください。

■最近の活動から■

【タイでのアジア選手権】

 暮れに開催されるタイでのアジア選手権については、私は国際連盟から派遣されるイベントアドバイザーとして関わっています。タイ?ジャングル?危険な動物が森にいるんじゃない?この記事を通して、そんな誤解を吹っ飛ばしてください!

 

 今回のアジア選手権が開催されるのはチェンマイ、タイ北部の古都です。正直私も最初に訪れるまでは、「ジャングル?」と思って居ました。しかし、チェンマイは「熱帯雨林」気候ではなく、サバナ気候なのです。しかもテレインとなる台地は、比較的乾燥しているチーク材のプランテーションで、ある程度の林内整備もされています。驚くことにテレインのほとんどが白(やぶのない森)なのです。しかも、台地の辺縁は浸食され複雑な地形。これまでのアジア選手権の中でも屈指のテレインと言えるでしょう。

※地図は、以下URLでご覧いただけます。

https://www.livelox.com/Events/Show/138252/-ASEAN-O-League-2024-Chiang-Mai-WRE-Middle

 

 しかも、12月のチェンマイは、気温が14度から最高でも28度程度。日本の10月に匹敵するスポーツに最適な季節で、朝ご飯をテラスで食べているとTシャツでは肌寒いくらい。しかも、乾期で、雨の心配もほとんどありません。

 

 危険な動植物はないのか?比較的乾燥しているため、森の見てくれは日本の台地上のテレインに似ています。多少蚊がいるものの、日本よりも非力な印象。もちろん、気持ち悪そうな昆虫の類いもいません。ブリテンにはしれっと「キング・コブラに遭遇するかもしれない」と書いてありました。マッパーによれば、一度も会ったことがないとのこと。日本の大会でもハザードには「毒蛇」とは書きます。しかし、オリエンテーリングでマムシに遭遇し、ましてやかまれた人はいるでしょうか?タイもそんなことなのかもしれません。

 

 多くの人がタイ料理はおいしい、ということに同意してくれるでしょう。街にあるオシャレとは言いがたい作りの店でも十分においしいタイ料理を堪能することができます。写真は香港の友人らと4人でそんなタイ料理を食べた場面です。4人でおなかいっぱい食べて360バーツ。1500円ほどです。パッタイやガパオライス、カレーが有名ですが、タイ風オムレツもおいしい。 

こんなおいしそうなタイ料理をおなかいっぱい食べて4人で1500円!
こんなおいしそうなタイ料理をおなかいっぱい食べて4人で1500円!

 チェンマイはヨーロッパ人にとっては冬の避寒リゾート地になっています。ホテルも外国人旅行客の受け入れに慣れています。また敬虔な仏教であることから、国民性も穏やかに見えます。南国のリゾートでクリスマスを過ごし、気分転換にレースに出る。そんな大人っぽい遠征にうってつけの大会、それがタイでのアジア選手権です。

スタートは牧歌的な雰囲気
スタートは牧歌的な雰囲気
森はこのとおり。少し下草が多いように見えるが、素直な草が多いので、80%強のスピードで走れる
森はこのとおり。少し下草が多いように見えるが、素直な草が多いので、80%強のスピードで走れる

NPO法人Map, Navigation and Orienteering Promotion

 オリエンテーリング世界選手権の日本代表経験者、アウトドア関係者らが、アウトドア活動に欠かせない地図・ナヴィゲーション技術の普及、アウトドアの安全のために設立したNPO法人です。

活動をサポートして下さる方を募集しています

2015年3月のシンポジウムのプログラムと村越の発表資料を掲載しております。

初心者に最適なコンパス、マイクロレーサー