本法人最大のイベント、有度山トレイル三昧が無事終了しました。気温が低かったものの、無風で、穏やかな冬の週末を静岡で過ごしていただくことができました。ロゲイニングでは、静岡の昔を偲んでもらうCPを数多く設定し、「静岡今昔物語」と副題を付け、久しぶりに静岡中心部を会場とする開催となりました。
昨年までの開催にあたっては、警察署に届を出していたのですが、今回初めて「道路使用許可」を出すように、という指導が入りました。交通規則を遵守して道路を占有することのないロゲイニングは、道路使用許可の点ではグレーゾーンです。担当者によっては「例年やっているんだよね」と言って、届を預かるだけで終わることもありますが、今回は「道路で(ポイントの)撮影をすることもあるんだよね」ということで、静岡県の条例に抵触する可能性があるという指導でした。後援のスポーツ振興課とも相談し、「副申」を出してもらうことで、道路許可申請を提出しました。提出したからといって安全が担保され、地元とのトラブルがなくなるかというと、そういう実質的な指導はなく、釈然としない対応ではありました。
世の中が「コンプライアンス」至上主義になると、他人の土地や公共の土地を利用するアウトドアスポーツは気軽には実施できなくなる点は、アウトドア文化的にも悩ましいところです。安全に、ルールを守ってやっているという実績作りが引き続き重要だと感じた次第です。
私事になりますが、この3月末に退官となりますが、研究費をあと2年継続してもらうので、研究室は当面使えることになりました。最大の難関であった研究室の片付けのモディテーションはほぼゼロになりました。また防災総合センターから客員教授の称号ももらったので、当面のアイデンティティーには変化がありません。一方で、大学の多くの仕事から解放された時間を、ナヴィゲーションやリスクマネジメントの仕組み構築にどのように生かしていくかを熟考しているところです。
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<主催事業>
<他団体による主催(M-nop協力・村越の講師参加等)>
<村越が関わる国際イベント>
<先の予定>
昨年8月にオリエンテーリング・マスターズ選手権のスペイン遠征は香港乗り継ぎのキャセイ航空で出かけました。機内エンターテイメントの映画を何気なくみていると「Four Trail Challenge」というドキュメンタリーが流れていました。香港にある4つの長距離トレイルを連続して走破するというクレージーなレースです。
そもそも香港になじみのない人には、香港でトレランレースとは全くぴんとこないでしょう。多くの人のイメージにある香港は香港島の北側とクーロン半島の摩天楼が建ち並ぶ都会的な光景や、猥雑な屋台が並ぶ狭い街路でしょう。しかし、その香港島ですらピークの南側には豊かな自然が残っており、50kmの香港島トレイルが巡っています。香港全土でも40%が自然公園(郊野公園と呼ばれる)になっています。実は香港はアウトドア大国なのです。
4つのトレイルとは、先に挙げた香港島トレイルに加えて、ウィルソン、マクレホース、そしてランタオの各トレイルです。それらの嚆矢となったのが、ハイキング愛好者で郊野公園の整備にも功績のあった25代総督マレー・マクレホース卿に因んで名付けられたマクレホーストレイルです。このトレイルは、香港を東西に横断する長距離遊歩道で、東部の自然公園である西貢(サイクン)郊野公園のゲートウェイであるパク・タム・チュ(地図上△)をスタートし、香港の北東部の海岸線沿いや海を望む尾根道を通り(a~b付近)、九龍半島の南部と香港北部をつなぐいくつもの峠を越えて、香港最高峰大帽山(タイモーシャン)郊野公園を越え、香港西部の都市頓門(ツェンモン)に至る100kmの本格的トレイルとなっています。
4トレイルは無理にしても、マクレホーストレイルだけなら20時間くらい掛ければ走歩できるのではないだろうか?そんな野心を持ったものの、直前の練習時にまさかの故障。この3年間だましだまし付き合ってきた左股関節痛が再発してしまいました。せっかくのワールドランキング大会もあるので、とにかく出かけて、走れるようなら走る。そんな気楽な気持ちで出かけました。
マクレホーストレイルは見どころも多く、ナショナルジオグラフィックが選ぶ世界のベストトレイル20にも入っているそうです。その第一の見所はセクション2の尾根道歩きです。遙かに広がる南シナ海を眺め、白砂の入江を二つほど通過します。
もう一つの見どころが馬鞍山郊野公園を超える部分です。人呼んで「天空の回廊」。南海とはるかな街を見下ろす高原状の草地が広がり、時折放牧の牛たちが通りがかる場所です。
しかもこの地名が「昴平(にょんぴん)」。言い得て妙とはこの地名のことでしょう。こんなところにテントを張ったらさぞかし気持ちのよいことでしょう。今回はその手前で挫折したので、次の楽しみが残ることになりました。
翌日改めて香港らしい眺めを求めてセクション5に入りました。地下鉄の駅から軽いジョグで20分くらいで沙田峠に至り、そこからマクレホーストレイルが西に向かってつづいています。写真がそのトレイルからの眺めです。だいたい、世界の他の場所で自然豊かなトレイルから摩天楼が霞む光景が見られる場所があるでしょうか。この景色を見るだけでも香港に出かける価値があります。
香港のトレイルの面白いところは、様々なタイプの通行者がいることです。日本だったらアルプスの縦走ですか?と聞きたくなる様な60-80リッターのザックを背負ったスルーハイカーがいます。
マクレホーストレイルにはスルーハイクのためのキャンプ場が随所にあり、ほとんどが徒歩でしかいけない山中なので、水も含めて自力で運ぶしかないからでしょう。普通のハイキング姿の人もいるし、果てはどう見ても近くの住宅地から散歩で上がってきました、という感じの軽装の人もいます。もちろん、最近ではトレイルランナーにも多く出くわします。香港を象徴するかのようなカオスな状況でした。
3月のMnopオンラインセミナーでは、アウトドア天国香港をレポートします。