登山者・ハイカーのための読図講習会(第4回目)

当NPO代表村越が、これまでなかった本格的な読図・ナヴィゲーション講習として昨年度好評を博した講習会を、本年は当Mnopの事業として開催しました。

 

静岡のアウトドアショップ好日山荘とのタイアップで、11月30日(水)は同ショップでの1時間程度の室内講習、 12月10日(土)は静岡大学周辺で実地を含んだ5時間程度の講習を行いました。

 

講師 村越 真(社団法人日本オリエンテーリング協会専務理事)

 店内講習(机上)

  日程:11月30日(水) 19:00-(約1時間)

  場所:好日山荘 静岡呉服町店内 (地図)

  

実技講習

  日程:12月10日(土) 9:00-15:00

  場所:静岡大学キャンパス内(現地集合)

12.10講習会の様子

地図と風景から等高線の読み取りと対応を机上練習

地図の整置によって目標地点の方向を確認する参加者


尾根の配置を地図から読み取り示されたパターンの場所を見つける練習

コンパスを使うときに重要な時北線を地形図に引く本来基礎的な技能であるが、完全に習得している人は少ない。


遠くに見える目標物を使って、現在地を知る方法(パイロッティング)の練習

地図と周囲をよく読みとり、現在地を確認する、現在地の確認はナヴィゲーションの基本であり、徹底的に練習した。


静岡のあるアウトドアショップと共催で、読図・ナヴィゲーション講習会を開催した。私の勤務する大学の山岳部の学生も含めて20人を越える盛況であった。

 

講習会参加者のキャリアは様々である。ほとんど経験のない初心者も少なくない。その多くは、「尾根って?谷って?」地形の基本的な単位さえ識別がおぼつかない。彼らの多くは山岳会やクラブに属しているわけではないので、必要性は感じていても、読図スキルを習得する機会がないのだろう。確かに、有名な山ではルートも道標もしっかりしている。読図スキルがなくても、迷うことは少ない。だが、低山・里山に出かけると、地図にはない道も多く、読図スキルが必要になる。そこで、講習会に参加した、と言う人もいた。

 

講習会では、簡単に山岳遭難とそこに占める道迷いの状況を解説した後、読図の基本について解説する。読図スキルを身に着けるためには、実体験が欠かせない。だがそれと同時に、何を読み取るか、それをどう使うかを明確にしておかないと、せっかくの実体験も生きない。私の講習会では、たいていの場合、机上と屋外を組み合わせて実施するが、その両方を組み合わせる講習は、評価が高い。

 

机上講習では、風景写真と地図を見せながら、「どこから撮った写真でしょう?」という問題を数多くやる。ナヴィゲーションの中で現在地の把握は基本中の基本である。読図もそのために必要なのだ。「どこから撮った写真でしょう」問題をやると、ただ地図記号が分かるだけではだめで、風景から特徴を読み取ったり、風景と地図を交互に比べながら、さらに情報を読み取ったり、論理的に考えるという、ナヴィゲーションに必要なメンタル・スキルが意識できる。参加者の反応からは「難しい」と感じられていることは間違いないが、「現在地を把握する」という明確な目的があるので、しっかり取り組んでくれる。正解が出なくても、その難しさを実感してもらうことが重要なのだ。野山の中で道に迷ったときは、もっと難しい状況なのだから。

 

実際に山の中を歩きながらの現在地把握も、やはり難しい。尾根・谷を勘違いしたり、だいたいの場所は示せても、「ここ!」とピンポイントで示せない。それに対して、「ピンポイントで示せなければ、ルート維持にも影響する。針でつつくように、示して!」と促す。その際、等高線のちょっとした曲がり、植生情報などが利用できることも、参加者にとっては新鮮なようだ。

 

アウトドアの安全はもちろんだが、私自身はそれ以上に地図を読み込み、地形が分かることが楽しい。読図講習会を通して、山歩きのもう一つの楽しさを広げていきたい。

 

主催:好日山荘 静岡呉服町店       協力:NPO法人M-nop

NPO法人Map, Navigation and Orienteering Promotion

 オリエンテーリング世界選手権の日本代表経験者、アウトドア関係者らが、アウトドア活動に欠かせない地図・ナヴィゲーション技術の普及、アウトドアの安全のために設立したNPO法人です。

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