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富士山麓ロゲイニング(ナヴィゲーション・サミット2010)

ーーイベントは無事終了しましたーー

ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。2日間とも、お手伝いいただいた皆様、そして何よりもご参加いただいた皆様のおかげで無事終了しました。

 

2010.9.11(土) オリエンテーリング、ナビゲーションクリニック

        交流会

        9.12(日)  3/6時間ロゲイニング

イベントディレクターご挨拶  NPO法人M-Nop代表 村越真

富士山麓ロゲイニングにご参加のみなさん、富士山の作りだした溶岩流でのナィゲーションはいかがだったでしょうか。日本ではロゲイニングは気軽なアウトドアスポーツとして人気を博しつつありますが、その本質であるナヴィゲーションの奥深さを一歩進めて味わってほしい、そういう思いから今回の富士山麓ロゲイニングを企画しました。

 

その後、仕事上のつながりから、アジア航測の作成した富士山周辺の詳細な等高線データと赤色立体図を利用することが可能になり、より高いレベルのナヴィゲーションを経験していただくための条件が整いました。点数やフィニッシュ後の感想を聞く限りでは、やや難しかった印象を受けました。気温も暑く、厳しいイベントでしたが、逆に新たな挑戦意欲を掻き立てられたチームも多かったのではないでしょうか。

 

1589点という素晴らしいタイムで優勝したTEAM阿闍梨の柳下・小泉チームは、赤色立体図を積極的に使ったとレース後話していました。彼らの実力からすれば、通常の等高線図でも十分だったはずですが、柳下選手によると、地図からは読み取りにくいきれつなども読み取ることができ助かったということです。高い実力を持ちながらも、使える手段が最大限に使っていく姿勢こそがチャンピオンの証と言えるでしょう。

 

大会当日は落ち着かず、みなさんの感想も聞くことができませんでした。一部はアンケートに書いていただいたと思いますが、地図(特に赤色立体図)と、ナヴィゲーションのレベル等についての感想をお寄せいただければ幸いです。

 

Mnopでは、今後もナヴィゲーションを中心としたアウトドアイベントを開催・主管し、みなさんのおいでをお待ちしています。11月28-29日には、やはり富士山麓の朝霧でのイベントのお手伝いをします。今回悔しい思いをしたチームはぜひリベンジを図ってください。また来年1月末の有度山では、気軽な市街地を含めたイベントでみなさんをお待ちしています。

 

最後になりましたが、ご協賛いただきました株式会社エバニュー様、地図データの提供をいただきましたアジア航測様にお礼申し上げます。

 

リザルト

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本イベントをsummitと呼ぶ5つの理由

① 日本のsummitであり、多くのアウトドアアスリートの挑戦の場であった富士山の火山活動はナヴィゲーションにとっても、最高のチャレンジを提供してくれた。溶岩が作った自然の造形は、高度なナヴィゲーションテクニックを要求する。

 

② プログラム(e)ロゲイニングでは、この11月にニュージーランドで開催されるロゲイニング世界選手権に参加する日本選手を支援。参加選手をご招待する他、成績上位の場合には、大会収益の中から「餞別」をプレゼント。その他、2008-2009年度のトレイルランニング、ロゲイニング、オリエンテーリング、アドベンチャーレースの日本チャンピオン(または相当大会優勝者)をご招待。

 

③ 世界屈指のオリエンテーリング地図作製者ロブ・プローライトらが更新した富士山の微地形地帯の地図で繊細なミドル・オリエンテーリングを提供。

 

④ ナヴィゲーションのエキスパート集団TEAM阿闍梨とアウトドアナヴィゲーションのプロモーターNPO法人Mnopのスタッフが、ロゲイニングからオリエンテーリングまで、お好みのスタイルでナヴィゲーションを指南。ミドルコースやスプリントで腕試しをし、その反省を講師と一緒にするもよし、ナヴィゲーションの奥義に触れる二日間。

 

⑤ 富士山南麓の森を知り尽くしたナヴィゲーションのファンタジスタ、村越真がイベント&コースディレクター。世界選手権から草イベントまで、大胆な発想と繊細な目配りで好評のナヴィゲーションイベントを提供した経歴を生かし、全てのレベルのアウトドアアスリートから家族までが楽しめると同時にチャレンジングなナヴィゲーション・スポーツの舞台を提供。

本大会で提供する地図について

アジア航測様のご厚意により、富士山麓地区のレーザー測量データ等の提供を受けました。本大会では、それらのデータを試行的に利用します。これにより、地形図をはるかに凌ぐ正確な地図データを得るとともに、読図に不安のある皆様にも、富士地区のフィールドの特徴である地形を読むことによるナヴィゲーションの楽しさを味わっていただくことをねらいとしています。

 

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①1:25000地形図

現在発行されている国土地理院の1:25000地形図です。当初はこの地図画像を利用予定でした。

 

②大会で提供される正規地図

レーザー測量によって測量された等高線に空中写真等から道、建物等のデータを読み取り、地図化したものです。また、この地区で発行されているオリエンテーリング地図を使って通行が困難な場所(やぶ)を記載しました。1:25000より細かい地形が表現されていることが分かります。

 

③試行的に提供する正規+赤色立体表現図

この地図では等高線では表現できない微地形が表現されているのに加えて、あたかも模型を見ているように地形の凹凸が目の前に現れてくることにびっくりされるでしょう。この地図はオプションとして参加者全員に提供されますが、利用するしないは自由です。チェックポイントはすべて②の地図に表現される地形上の特徴におかれますので、地形情報としては②の地図に不利はないと思います。なお、赤色立体図は赤を使ったときがもっとも立体感が得られますが、他の特徴の読みやすさや地図としての美しさを考えて、実際の地図は色相を変える予定で、現在試行錯誤中です。

 

もっと知りたい方へ

◆ レーザー測量とは

数多くのレーザー光を飛行機より発射し、それが戻ってくる時間を利用して、地面の標高を測量します。従来の空中写真では、木の生えた通常のテレインにおいて、樹冠(木のてっぺん)の高さと地表の高さを区別することは困難でした。レーザー光では10cm単位での正確な高さの測量が可能なため、木の生えた場所でも高さの異なる測量点を区別することで、正確な地表面の高さを測量することができます。今回のベースとなる等高線データはこのようにして作成されました。

 

◆ 赤色立体図とは

富士山麓の正確な標高データの測量結果をより分かりやすく表現するためにアジア航測で開発された地形表現方法です。傾斜の緩急を赤の濃淡で、天空の開け方(尾根か谷か)を黒の濃淡で表わし、両者を重ねることにより、これまでの表現技法にはないリアルな地形表現を可能にしています。しかも、大局的(広い範囲)な特徴が重要な場合はそれを、狭い範囲の特徴が重要な場合はそれを黒の濃淡により強く反映させるため、等高線には現れにくい高さの差50cm程度の段差なども表現できます。また絶対的な高さの表現は犠牲になりますが、相対的な高さの差や地形の変化が強調されて表現される傾向にあるので、人間の目で見たのと近い地形表現が得られます。

 

◆ 今回の地図利用プロジェクトについて

赤色立体図はあまりの地形表現のリアルさのため、等高線から地形の要素を読み取るために練習による習得した読図スキルを要求しないように思います。それを考えると、赤色立体図を使うことはナヴィゲーションスポーツとしては「邪道」のようにも思えます。一方で、このような新しい技術を積極的に使うことで、初級者にも地図読みや地形を使うナヴィゲーションの楽しさが味わいやすくなり、それはアウトドアスポーツの可能性を広げるものになるかもしれません。

 

今回は、実際にイベントで利用してもらうことでアウトドア活動者が赤色立体図をどう感じるか、それは同一のスキルを持つ人に対して確実なナヴィゲーションを保証するのか(これはアウトドアの安全を考えると重要なポイントになります)、その一方でそれによって読図やナヴィゲーションの本質が大きく変わってしまうことはないのかといった点を検証することを目的にデータの提供を受けました。

 

参加のみなさんには事後のアンケートをお願いしますので、ご協力いただけるようお願いします。

共催:NPO法人Mnop、静岡オリエンテーリングクラブ、TEAM阿闍梨
後援:富士市、富士市教育委員会(予定)、静岡県オリエンテーリング協会
協賛:(株)エバニュー

NPO法人Map, Navigation and Orienteering Promotion

 オリエンテーリング世界選手権の日本代表経験者、アウトドア関係者らが、アウトドア活動に欠かせない地図・ナヴィゲーション技術の普及、アウトドアの安全のために設立したNPO法人です。

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2015年3月のシンポジウムのプログラムと村越の発表資料を掲載しております。

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